テキストから動画を作るプロンプトの書き方
テキストから動画(text-to-video)のプロンプト実践ガイド。良いプロンプトに必要な5要素、削るべき言葉、1080pで仕上げる前に安く試す方法をまとめました。

出来の悪い AI 動画のほとんどは、モデルのせいではありません。テキストから動画を生成するプロンプトの問題です。主語もカメラも光もない、形容詞の山になっているのです。モデルはもう十分に賢いので、結果を左右する変数はプロンプトのほうにあります。
これは Video Gen Now でプロンプトを書くときの手順と、それぞれの要素が必要な理由です。
キーワードの羅列が効かない理由
画像モデルのおかげで、私たちは cinematic, 8k, ultra detailed, masterpiece のようなタグの列を書く癖がつきました。動画モデルが求めるものは違います。ピクセルだけでなく時間も解決しなければならないからです。タグの列は 1 フレーム目の見た目しか伝えず、1 フレーム目から 120 フレーム目までに何が起きるかを伝えません。結果として、モデルは動きを勝手に発明します。たいていは「何もない場所へのゆっくりしたズーム」です。
参考映像を見ていないカメラマンに説明するつもりで書いてください。カンマ区切りの単語 20 個より、2〜3 文のほうがうまくいきます。
ショットを構成する 5 つの要素
生き残るプロンプトには必ずこの 5 つが入っています。どれかが抜けると、モデルがその穴を勝手に埋めます。
- 被写体 — 何についてのショットなのかを 1 つに絞る。「商品」ではなく「カットの入ったガラス瓶」。
- 動き — クリップの中で何が変化するか。湯気が立ちのぼる、手がフレームに入る、雨が降り出す。何も変化しなければ、動画のクレジットを払って静止画を買うことになります。
- カメラ — 動きと画角。ゆっくり寄る、手持ちで追う、フィックスの引き、真俯瞰。プロンプトの中でもっとも価値の高い一群です。
- 光 — 方向と質。左からの硬い光、窓からの柔らかい光、濡れたアスファルトに滲むネオン。「生成された」ではなく「撮影された」に見せるのは光です。
- ルック — グレーディングとフォーマット。35mm、浅い被写界深度、くすんだティール、ハイコントラストのモノクロ。
修正前
ガラス瓶、商品カット、シネマティック、8k、美しいライティング、プロフェッショナル、超リアル
修正後
濡れた石の上にカットの入ったガラス瓶が立っている。カメラがゆっくり寄っていくあいだ、硬い光が一灯ラベルの上を横切り、右側に長い影を落とす。深い黒、浅い被写界深度、35mm。
被写体は同じです。後者は「いつ動くのか」「光がどこから来るのか」「どんな画にしたいのか」を伝えているので、モデルが推測する余地が残っていません。
削るべきもの
- 解像度や品質を表す語。
4K、8K、masterpiece、best qualityは何もしません。実際の解像度はレンダリング設定で選びます。意味のあるトークンを薄めるだけです。 - 否定形。 「人物なし、文字なし、ボケなし」は、除外したはずのものを呼び寄せがちです。欲しい画のほうを書いてください。
- 1 つのプロンプトに 2 つのショット。 「彼女が入ってきて、その後で街に切り替わる」は混乱したモーフになります。1 プロンプト 1 ショット。つなぐのは後工程です。
- スタイルの積み重ね。 「ピクサー風でフィルムノワールで水彩」は平均化されて濁ります。ルックは 1 つに決めてください。
モードによってプロンプトは変わる
ジェネレーターにある 3 つのモードは、まったく違う書き方を要求します。クレジットが無駄になるのはたいていここです。
テキストから動画 — 上の 5 要素をすべて書きます。まだ存在しない画を describe するので、暗黙の前提はありません。
画像から動画 — 動きだけを書きます。アップロードした画像がすでに 1 フレーム目なので、シーンを describe し直すのは自分の画像と戦う行為で、商品を描き直されてしまうこともあります。「カメラがゆっくり寄り、カップから湯気が立ち、光がテーブルの上を移動する」でプロンプトとして完成です。
参照画像から動画 — 見た目を保ちたい被写体をアップロードし、番号で呼びます。「Image 1 は女性、Image 2 は彼女の犬。日の差す庭を並んで歩き、手持ちカメラが後ろから追う」。番号で呼び出すことが、顔やパッケージを一貫させる鍵です。
安く試して、高く仕上げる
プロンプトづくりは反復作業であり、予算が溶けるのも反復のときです。クレジットは実際の GPU コストに連動し、コストはピクセル数に比例します。つまり同じプロンプトでも、どこでレンダリングするかで金額はまったく変わります。
Seedance 2.0、5 秒、16:9 の場合:
- 480p — 約 68 クレジット
- 720p — 約 152 クレジット
- 1080p — 約 341 クレジット
- 4K — 約 778 クレジット
下書きと納品で 5 倍の開きがあります。プロンプトを書いたら、動きと画角が決まるまで 480p で 3〜4 パターン回し、勝ったものだけを 1080p で 1 回レンダリングしてください。最初からフル解像度で試す場合のおよそ 3 分の 1 で済みます。
あわせて知っておくとよいこと:
- アスペクト比も価格を動かします。 同じ解像度なら 21:9 は 1:1 よりピクセルが多く、その分高くなります。5 秒 1080p で 21:9 は約 447 クレジット、1:1 は約 192 クレジットです。縦 9:16 と横 16:9 は同額なので、キャンペーンの両バージョンを出しても費用は対称になります。
- 失敗したレンダリングは返金されます。 ジョブがエラーになればクレジットは即座に残高へ戻り、タスクはエラーとともにライブラリに残るので、書き直さずに調整できます。
よくある質問
プロンプトはどれくらいの長さがよいですか
2〜4 文です。被写体・動き・カメラ・光・ルックを覆える長さで、かつ個々の指示が埋もれない短さ。英語で 80 語を超えたあたりから、後半の節は効きが弱くなります。
プロンプトは英語で書くべきですか
可能なら英語をおすすめします。モデルが学習したデータは英語が圧倒的に多く、英語のプロンプトのほうが手がかりを多く与えられます。セリフのないクリップでも同じです。
ほとんど動かないのはなぜですか
ほぼ間違いなく「写真の説明」を書いています。明確な動きと明確なカメラワークを足してください。「フィックスの引き、窓から差す光の帯の中を漂う埃」は動きますが、「美しい空室、シネマティック」は動きません。
うまくいったプロンプトを再利用できますか
すべてのレンダリングは、それを生んだプロンプトとセットで保存されます。ライブラリから再利用したり、派生させたりできるので打ち直す必要はありません。変更は一度に 1 か所だけ。どの語が何をしているかを学ぶ方法はそれだけです。
まとめ
- ムードボードではなくショットを書く。被写体、動き、カメラ、光、ルック。
- モードに合わせて書き分ける。画像から動画は動きだけ、参照画像から動画は番号で呼ぶ。
- 480p で反復し、1080p で納品する。失敗は返金で吸収される。
試してみましょう。テキストから動画のジェネレーターを開き、上の 5 要素のプロンプトを貼り付けて、被写体だけ自分のものに差し替えてください。それが最初の 1 本になります。